半額シールのお兄さん | 5分で読める短編小説投稿サイト - Prologue(プロローグ)
感動的な結末 | はの | スーパー閉店の一時間前。
スーパーにいる客の半分は、肉や魚、惣菜の並ぶコーナーに集い、その時を待っていた。
店員しか入れないバックヤードの扉が開き、出てくるのはスーパーの制服に身を包んだお兄さん。
お兄さんの手にはいつも通り、たくさんの丸いシールがあった。
赤色の背景に、黄色いギザギザの円が描かれ、ギザギザの円の中には大きな赤文字で『半額』と書かれている。
それは魔法のシール。
シールの貼られた商品は、値札に書かれた価格の半額で買うことができる。
全人類の救世主。
敬意をこめて、その店員はこう呼ばれる。
半額シールのお兄さん、と。
半額シールのお兄さんは、肉の…
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